聴きどころ 関町フラワーコーラス
指揮者 甲田 潤
関町フラワーコーラスと私のお付き合いは、丁度この演奏会で41回目の春を迎えました。い ささかと言えるかどうか、私の人生の3分の2に迫る時間を共に過ごして参りました。その中 で出会った曲たちゃその音楽に、今も続いて歌って下さる団員をはじめとし、多くの団員と一 緒に成長し過ごしてきた時間があります。
前回の演奏会、2019年秋からのこの4年間、歌うこと、声を出すこと、そして仲間と集うことの出来ない辛さを味わいました。そんな中フラワーの団員は、指揮者の無理くリ( ちょっと 方言) なオンライン練習開始宣言にひょいひょいと応えて下さり、ある団員は当時使い慣れて いたガラケーを最新のスマートフォンに変え、ある団員はご自宅からの参加に照明まで用意して出席して下さる等々、あっという間にオンラインの活用回数は、100回を遥かに超えてしまいました。流石と思うのは、対面で歌うことの叶わなかった頃は勿論、一緒に歌えるようになった今でも、オンタイムだけでなく、その後のYouTube配信を練習に活かして下さっているということです。そんな4 年間の時の流れを一緒に過ごして来てくれた団員の思いを、この演奏会 の第一ステージの歌からどうぞお聴き下さい。
あ、それからもう一つ大切な事。このわがままな指揮者と、フラワーコーラスを2002年より 長きに亘り支えてきて下さった中井德子先生に代わり、新しく田村会先生という若いピアニストをお迎えしました。今回が長丁場の演奏会でのデビューとなります。合わせてお楽しみ下さい。
第一ステージの《あめつちのうた》は、「リンボウ先生」で有名な作家・国文学者、林望気、 書き下ろしの温かな詩に、「素直に美しいハーモニーで調性がある」作品が多く、NHK全国享 音楽コンクールの課題曲でも良く知られている上田真樹氏の作品。一日の時の流れや、世代を またぐ時の流れ。四季の移ろい、そして、巡る生命の循環。最初のステージからカ強く歌います。
そして第Ⅱ、第Ⅲステージでは休憩を挟み、日本の古典に題材を採った曲目をお聴き頂きます。 アメリカ生まれで現在はスウェーデンに住まわれて、日本が大好きなSteve Dobrogoszが見た「百 人一首」。日本を代表する作曲家のひとり、新実徳英の見た古典「おくのほそ道」。ニ人の作曲 家の感性が見つめた日本の心を、皆様にお聴き頂ければと思います。
《女声合唱とピアノのための「KOIUTA」》ジャジーでポップス調なサウンドを得意とする作曲 家の選んだ「小倉百人一首」の和歌からの5 首。「詩の意味や日本語のイントネーションをきちんと把握しながらも、あえて日本語らしく作曲することはせず、それよりもむしろ日本語の持っているリズムや響き、つまり日本語そのものが持っている音楽から感じ取ったものをそのまま 音に表すよう心がけた」と作曲者自身が語っている作品をフラワーコーラスがどう歌いこなすのか?
楽しみです。
《女声合唱とピアノのための「おくのほそ道―みちのくへ」》この曲は、同じ作曲者の2011年 の作品、《おくのほそ道―越の国々》(松尾芭蕉の旅の後半、新潟以降の句によるもの)に対しての、 前半部の句によるもので、2015年に作曲されました。曲はこの前半の旅で詠まれた句の中から、 18の句を作曲家自身が直観的に選び取り( 句の順番の入れ替えなども有り)、全3章にまとめられています。日本の古典を、日本人が現代の音楽として詠む。そしてそれにフラワーコーラス が挑む。なんてわくわく、くらくらなのでしようか。(ワクワクは反対から読むとクワクワ ゛笑 ゛クラクラは反対から読むとラクラク ゛笑゛。その心は楽しさ満載)
そして第Ⅳステージは、2009年に合唱編曲集「ヒットメドレー"HANA"」を発表して以来、 "COLORS" "LOVE" "YUME"など様々なヒットメドレーを編み出している三沢治美氏の編曲による《女声合唱のためのヒットメドレー"SORA"》。「空」に関係した名曲の数々をどの世代にも楽しく、格好良く歌えるよう編曲されています。様々な音楽の息吹を心豊かに、そして高らかに 今のフラワーコーラスが歌い上げます。
2023 練馬区 春の合唱祭に出演しました。
5月4日 主催:練馬区合唱連盟
女声合唱のためのヒットメドレー”SORA”より
編曲:三沢治美
● 朧月夜、夜空ノムコウ、TOKIO, 君といつまでも
合唱団演奏会
歌うことが好きで集まった熱心なメンバーが揃う合唱団として、関町フラワーコーラスは音楽を通して聴衆の皆様の気持ちと心を動かします。どの演奏においても、お客様にアンコールを望んでいただけるような、素敵な体験をお届けいたします。
第14回演奏会指揮者曲目紹介(Archive)
聴きどころ
関町フラワーコーラス
指揮者 甲田 潤
関町フラワーコーラスと私のお付き合いは、今年で37回目の秋を迎えました。私の人生の半分を超えるお付き合いで出会った曲たちや、その音楽に、共にコーラスというアイテムで対峙してきた団員との代え難い時間。
流石と思うのは、その濃密な時の流れを一緒に過ごしてくれた団員の多いこと。思い出せないくらいの出来事が沢山詰まったと言いたいのだが、それをみんなよく覚えている。そんなフラワーコーラスの思いが、この演奏会の第Ⅰステージの歌から流れ出してくれる事と思います。
第Ⅰステージの《光と風を連れて》は、《春に》や《夢見たものは》の作者としてよく知られている、木下牧子の逸曲です。工藤直子の、心優しさお触れる、人と人との関わりからの掬い取られた詩に付けられた美しいメロディたち。「ここで すこしやすんでいきませんか」「ゆっくり しばらくすごしませんか」とお越しいただいた皆さまを今宵の演奏会にご案内いたします。
第Ⅱステージでは《ふるさとの四季》の名編曲で知られる源田俊一郎の編まれた《ホームソングメドレー》より、イギリスとアメリカの古き良きメロディーをお届け致します。《ロンドンデリーの歌》や《夢路より》などは少し年配の方には、今でも耳の中に、懐かしい青春の歌として残っているのではないでしょうか。
第Ⅲステージ『なみだうた』は、今一番合唱界で演奏される曲の多い作曲家のひとり、信長貴富による楽曲です。竹下夢二をはじめとし、谷川俊太郎、金子みすゞといった詩人の様々な涙に、多彩に付けられた7曲はすべてがア・カペラで歌われます。私たち関町フラワーコーラスの腕のみせどころ、いや、声の聴かせどころでしょうか。
そして第Ⅳステージは、いささか長編の千原英喜による《アポロンの竪琴》。ギリシア神話に登場する音楽を司る神アポロン。竪琴の名手といわれています。・言葉の故郷としての音楽・太古、星々と地球との調和によって音楽は生まれた。それは海原遥かに響く人魚の歌であり、またアポロンの竪琴の調べなのだ。時に映画『 E T 』のような響き、又『未知との遭遇』のような音遣い。 そしてロック、ポップス、美しいハーモニーと原点となる音階やリズム。様々な音楽の息吹を心豊かに、そして高らかに今の私たちが歌い上げます。
第14回 演奏会(三鷹市芸術文化センター風のホール)2019.11.22
第14回演奏会アンコール「夢」
演奏曲から「アポロンの竪琴」をお聴きください。
第13回 演奏会(三鷹市芸術文化センター風のホール)2017.11.12
指揮:甲田 潤 ピアノ:中井 徳子
弦楽合奏:谷崎クインテット
1.さくらももこの詩による女声合唱曲集
「ぜんぶここに」
2.女声合唱のためのヒットメドレー
” "HANA”
3.女声合唱とピアノのための
「五つのシャンソン」
4.女声合唱、弦楽とピアノによる
”MASS”